「あざの代表的な治し方のレーザーでは治療不可能な怖いあざも(前編)」では、さまざまなあざをご紹介いたしました。
後編では、 あざ の 治し方 として一般的なレーザー治療が可能なあざとそうではないあざについてご説明いたします。皮膚再生移植など新しい治療法に対する期待も高まっています。
あざの代表的な治し方のレーザーでは治療不可能な怖いあざも(後編)
あざの治し方ではレーザー治療が一般的
あざ、いわゆる母斑の治し方としては、一般的にはレーザー治療で除去する方法をおこなうことになります。レーザー治療が難しいものは手術での切除がおこなわれます。
しかし蒙古斑のような基本的には自然に消えてくるあざは、顔など目立つ部分にできていなければ、特別に除去の必要はありません。ただし異所性蒙古斑の場合は将来的に完全に消える可能性は低いためレーザー治療を検討することも良いようです。
あざの治し方としてレーザー治療が一般的ではありますが、子供に対するレーザー治療は十分注意が必要になります。術中の治療への恐怖を含め子供はじっとしていない傾向にあるため、レーザーがほかの箇所にあたってしまう可能性があります。
もし目にあたってしまった場合は最悪失明という危険があります。そのため子供に対するレーザー治療では全身麻酔をおこなう場合が多いようです。
またレーザー治療は症状に応じて何度が照射する必要がありますが、術後濃い斑点が出たり、希望していた程度の結果が得られないなど、すべての患者たちに満足のいく結果になるとは言いにくい状態もあるようです。
そしてあざの中でも血管腫の場合、良性のものは皮膚科や形成外科でのレーザー治療となります。
しかし悪性であるカサバッハ・メリット症候群だった場合、投薬治療のほかに放射線治療などがおこなわれるなど非常に困難な治療が予想されることになりますので、もし心配の場合は早めに小児科などに相談することをお勧めします。
レーザー治療では治せないあざとは?
あざの中でも巨大色素性母斑の治し方として、関西医科大学などのグループが世界初の皮膚再生移植方法を研究、臨床試験もスタートして、新しい治療方法への期待が高まっているとのニュースが2016年8月の産経ニュースで報告されています。
前述のとおり、巨大色素性母斑は皮膚がんの原因にも成りうるもので、手術ですべての範囲を取り除く必要があります。しかし取り除く範囲が大きいために、その分の皮膚移植が必要となるのです。
そこで患者自身の皮膚を培養、移植することによって、移植後の拒絶反応を起こりにくくするという研究なのです。しかし人間の皮膚構造は何層にもなっていて、がん化する可能性の高い悪性黒色腫は真皮と言われる皮膚の層でもより内側の部分にできる異常です。
その真皮は培養ができない性質をもっているため、そもそも真皮自体がもっている皮膚としての重要な役割を削ることなく、できた悪性黒色腫部分だけを死滅させる必要があるのです。
そして患者自身の全く問題のない皮膚を移植用として切除し、問題箇所を切除した皮膚と共に培養して移植するというものです。
ただし巨大色素性母斑はそもそも広範囲にわたるものであることに加え、培養するための移植用の皮膚も採取しなければならないため、多くの範囲の皮膚を必要とします。そのため手術は何度かにわけておこなうこととなり患者へのリスクも大きくなる部分もあります。
しかし研究チームによる移植手術もおこなわれ、発表時点では術後も順調な状態にあるというものでした。
そのほかにもキュレッテージと言われて、問題の組織が存在する皮膚の浅い層の部分だけをはがす方法やさまざまな種類のレーザー治療も複数回おこなわれる場合もあります。
医学の世界は日々進化していると言われていますが、このように長きにわたっての研究と実例を重ねることで、また新たな医学進歩があらわれるという終わりのないものです。
私たちも現時点では希望が薄いと思われる病気の治し方に対しても、数十年後には画期的な進歩が見られ、明るい未来が開けることを祈りたいものです。
まとめ
あざの代表的な治し方のレーザーでは治療不可能な怖いあざも(後編)
あざの治し方ではレーザー治療が一般的
レーザー治療では治せないあざとは?