子どもがなりやすい「とびひ」と「あせも」はよく混同されてしまいます。どちらも子どもによくある肌トラブルです。「とびひ」と「あせも」は同じものではないようです。
「とびひ」と「 あせも 」の違いは、どのようなものでしょうか。
子どもの「とびひ」と「あせも」の違いは?
「あせも」について
「あせも」は、夏に起こりやすい肌トラブルです。夏だけでなく、着膨れする冬にも起きることがあります。あせも(汗疹)は民間で親しまれた呼び名ですが、医学的には「紅色汗疹(こうしょくかんしん)」といいます。
「あせも」は、汗をかいた時に何もせずにしておくとなりやすいです。人間は気温が高くなると、汗をかくことで体温調整を行います。汗は肌にある汗腺という場所から汗を出しますが、そこが詰まって肌の内部にたまり、赤みを帯びた小さな湿疹や水泡を作ります。
炎症を起こすので赤みの他に痒みがでます。この状態が「あせも」です。子どもが「あせも」になりやすいのは、汗腺が多くあるためとも言われます。
「あせも」は水晶様汗疹、紅色汗疹、深在性汗疹の3つの症状があります。
水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)は、皮膚の一番外側の角質層に汗がたまることでなります。
紅色汗疹(こうしょくかんしん)は、角質層のすぐ下の層が詰まってなります。
深在性汗疹(しんざいせいかんしん)は、紅色汗疹よりも深い表皮の下層や真皮内のところが詰まってなります。
「とびひ」について
「とびひ」は、「あせも」で出来た湿疹を掻き壊すことが原因でおきます。湿疹を掻き壊した傷が細菌感染することで症状がひどくなります。
細菌は、皮膚などにある常在菌である黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などが、患部に感染・繁殖します。そして赤くジュクジュクした状態になります。痒みもあります。
患部を掻いた手で患部以外のところを触ると感染します。つまり「とびひ」になっていないあせもの患部を掻くと同じように赤くジュクジュクとした状態になります。この症状を「とびひ」といいます。
細菌感染が原因の「とびひ」になると、「とびひ」になった子ども以外の人にもうつってしまうのです。
火事で火の粉が飛んだ場所も燃えることを「とびひ」と言いますが、その名のとおりあちこちにうつります。「とびひ」は「あせも」で出来る湿疹を掻き壊すことでなりますが、虫に刺された跡を掻き壊してもなります。
「とびひ」と「あせも」は違います
「とびひ」と「あせも」の共通点は、肌の炎症のため起こる赤い小さな湿疹ができることです。どちらも痒みがあります。大人と違って子どもは痒いてはいけないと言われても掻いてしまいます。
「とびひ」と「あせも」は違うのですが、「あせも」になってから「とびひ」になるので混合されるようです。「あせも」は掻き傷が細菌感染しなければ「とびひ」になりません。
感染の恐れがある「とびひ」には、治療とともに他の人に感染させないようにします。プールや湯船に浸かっての入浴をさけるのですが、「あせも」の段階であればその必要はありません。「とびひ」にならないためには「あせも」を速やかに治療したいものです。
「あせも」のうちに対処しましょう
「あせも」が出来やすいのは汗のかきやすい場所と汗がたまりやすいところ、皮膚がこすれやすいところに出来ます。帽子のすべり布が当たる額、衿がこすれる首筋、ひじの内側、背中、お尻などです。
子どもは元々汗をかきやすく、大人のように自分でこまめに汗を拭くということが出来ません。大人が気をつけて清潔なタオルで拭き取るようにしましょう。すでに「あせも」が出来ている場合、患部付近の汗を拭く際にこすると痛いので押さえ拭きをおすすめします。
あせもは、肌を清潔にすることが大切です。汗は洗い流すのが肌を清潔にできるので、できるのであれば洗顔、シャワーなどをこまめにすることも早く治ります。
まとめ
子どもの「とびひ」と「あせも」の違いは?
「あせも」について
「とびひ」について
「とびひ」と「あせも」は違います
「あせも」のうちに対処しましょう