近年、ADHD(注意欠陥多動性障害)という言葉をよく耳にします。ごく身近な発達障害のひとつなのですが、「実際どのような障害なのか」と聞かれても正確に答えられる人は多くありません。
ADHD (注意欠陥多動性障害)はどんな障害なのか、その 特徴 について詳しく見ていきましょう。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の3つの特徴とは。
ADHDとは
近年、「発達障害」という言葉をよく耳にするようになりました。発達障害は脳の機能障害で、日本国内で100人に1人の割合で発達障害が起こるといわれています。ADHDは自閉症やアスペルガー症候群と並ぶ、発達障害のひとつです。
日本語では注意欠陥多動性障害と呼ばれています。以前はADD(注意欠陥障害)と呼ばれていましたが、ADDを持つ子供に多動の特徴が多く見られたため、ADHD(注意欠陥多動性障害)という名称に変更になりました。
かつては、「ADHDは子供の障害であり、大人になればその症状は消える」と思われていました。しかし、最近の研究では、60%以上の割合で大人になってもADHDの症状が残ることが分かっています。
また、大人になってからADHDと診断されるケースも少なくありません。子供の頃はまだADHDという発達障害が知られておらず、「変わった子」と周囲から見られていた人たちが、大人になっADHDと診断されることによって精神的に救われることがあるのです。
ADHDの主な症状には不注意、多動性、衝動性があります。しかし、症状の出方は人それぞれです。より不注意の特徴が強い人もいれば、より多動・衝動性の特徴が強い人もいます。またADHDの子供に学習障害が現れる場合もあれば、全く学力には問題がない場合もあります。
特徴その1・不注意
不注意はADHDの最も特徴的な症状です。
子供の場合、授業中に他のものに気をとられてしまって授業に集中できなかったり、先生の話を聞かずにボーっとしていたりすることがあります。また、勉強の際に不注意な間違いを繰り返したり、忘れ物が多かったりします。
大人の場合、約束や仕事の締切りを守ることができなかったり、仕事を段取りよく遂行することができなかったりします。また、大切な仕事で簡単なミスをしてしまったり、上司から同僚あてに頼まれていた伝言をすっかり忘れてしまったり、ということがあります。
大人のADHDの場合、こういった不注意からくる症状が子供の頃に比べて増えているケースが多くあるようです。
特徴その2・多動性
以前、学校で授業中に席を立って歩き回る児童が問題になったことがありました。実は、その陰にはADHDの特徴である多動性が潜んでいたのです。ADHDの第2の特徴である多動性は、様々な形で現れます。
例えば、じっと座っていることができずに授業中や会議中に手や足を絶え間なく動かすことがあります。子供の場合、意味もなく走り回ったり、ジャンプしたりすることもよくあります。
また、しゃべりすぎることが多いのも特徴のひとつです。そのため、ADHDの子供はしばしば、集団での活動をする際に支障をきたしてしまうことがあります。
特徴その3・衝動性
ADHDの3つ目の特徴は衝動性です。衝動性とは、思いついたことを考えることをせずすぐ口にしてしまったり、思いついたことをすぐ行動に移してしまったりすることをいいます。
会議中に急に場違いな発言をしてしまったり、友達と話をしている時などに衝動的に友達を傷つけるようなことを言ってしまったり、といったことが起こりがちです。
また、順番を待つことが苦手であるため、他人の話を遮って急に自分の話をし始めてしまうこともあります。衝動買いが多いのもADHDの特徴のひとつです。
まとめ
ADHD(注意欠陥多動性障害)の3つの特徴とは。
ADHDとは
特徴その1・不注意
特徴その2・多動性
特徴その3・衝動性