子供の将来を考えると、いずれは就職して生計を立てていくことになります。就職は、求人にエントリーして採用され勤務することです。ADHDである子供の将来にとって就職は難しいものなのでしょうか? ADHD と 就職 についてご説明します。
ADHD(注意欠陥多動性障がい)の就職について
ADHDの就職は、ハードルが高い?
ADHDは先天性の脳機能障がいであり、多動・不注意・衝動性がみられます。子供の時から親が治療を受けさせ、療育に努めると効果がある障がいです。
大人になるにつれて、その効果と本人の経験値の高まりや、学習で治まる症状も見られます。
ADHDは、目に見える障がいでないためADHDに詳しくない、理解の乏しい方との関わりで誤解を受けることもあります。その事も一因になっていますが、一般的にADHDの就職はハードルが高いと思われているようです。それは、なぜでしょう。
ハードルの高さを感じる理由とは?
ハードルが高いと感じるには、いくつか理由があります。ADHDの特性に多く挙げられる「時間が守れない」「場の空気が読めない」「忘れっぽい」が仕事においてミスやトラブルにつながります。
その点は予測できることなので、本人と理解ある周囲の工夫により克服できる点も多いです。困ることは別にあります。
働くことは、曖昧さに対処できる柔軟性が求められます。治療や療育の過程で、周囲の大人がADHDの子供に対して気をつけるのは、指示の出し方です。
子供であること、さらにADHDであることから抽象的な表現であると、伝わりにくいのです。社会に出ると、物事をわかりやすく伝えてくれる人ばかりではありません。
むしろ日本人特有の物事をはっきりさせない、曖昧な表現が多いです。そうなるとADHDの方は困るのです。大人になるまでに、対処できる柔軟性を身につけるにはどうすればいいのでしょうか?
ADHDの子供が学ぶ柔軟性
発達障がいの子供は、放課後デイサービスの利用することが出来ます。デイサービスの方針によって違いますが、実生活に応じたことを教材にして学ぶカリキュラムが組まれます。親との生活とは違った視点での学びがあり、それは柔軟性を身に付ける訓練にもなります。
ADHDでない子供が大きくなっても言えることですが、社会に対しての柔軟性は経験を重ねて身につけるしかありません。親としては、子供が苦労しているところを見るのは辛いです。
でもどんどん経験を積んでいかないと得られないものなのです。子供は成長していく過程では見守ることも必要です。見守ることは、親として成長の機会でもあります。
ADHDの就労支援について
就労先にADHDだと伝えるか否かと悩む方もいるでしょうが、ADHDを伏せたまま働くことにはリスクが伴います。今はADHDの方を対象にした就労支援があります。ADHDといっても個人差があり、得手不得手もそれぞれです。
ハローワークでは、ADHDを含む発達障がいの方向けに就労支援を行っています。大きな特徴として、就職を目標とした「若年コミュニケーション能力支援プログラム」があります。
これは、今すぐ職業を斡旋する就職支援ではなく、就職を目的とした支援プログラムです。コミュニケーションを不得手とするADHDの方に対する具体的なアドバイスや職業に対する支援が受けられます。
少し前までありませんでしたが今や民間でも、就労支援を行う機関があります。社会全体でADHDの特性を生かした就労を目的にしています。それはADHDへの社会の理解と支援活動の一環です。
社会へ出るために親ができること
ADHDの我が子を思うと社会の厳しさに、この子は耐えられるのかと思うかもしれません。けれど、社会の厳しさに直面することが避けられない場面は必ず出てきます。そんな時に親としてできるのは、人生の先輩をして見守り、客観的なアドバイスをすることです。
職業選択の自由は、皆平等にあります。やりたい仕事やりがいのある仕事は、生きがいになります。時には冷たく厳しく感じる社会ですが、必ず受け入れてくれる場所、居場所はあります。
まとめ
ADHD(注意欠陥多動性障がい)と就職について
ADHDの就職は、ハードルが高い?
ハードルの高さを感じる理由とは?
ADHDの就労支援について
社会へ出るために親ができること