ADHD(注意欠陥多動性障がい)は、近年になって認識されてきた先天性の脳機能障がいです。脳の伝達物質の不足により、さまざまな症状を起こします。主な症状は「衝動性」「不注意」「多動性」です。 ADHD の 症状 についてご説明します。
ADHD(注意欠陥多動性障がい)と症状について
ADHDの主な症状「衝動性」
「衝動性」は、文字通り思いついたときに時と場所や後先を考えずに行動することです。衝動性のため、我慢ができず順番が待てません。ADHDの子供にとって最適だというタイミングは、自分のやりたい時だからです。人と会話していても、話したいことが思い浮かべば、話し相手の発言を遮っても話し始めます。
そのためADHDだと知らない人相手は、とても身勝手で空気の読めない子だという印象を持ってしまいます。感情のコントロールも不得手なため、手がでてしまう場合もあります。衝動性により他人とのトラブルを起こすことが多くなります。
ADHDの主な症状「不注意」
「不注意」は、ADHDの中核的症状です。注意力・集中力が持続しない障がいなので、不注意になります。優先すべきことを差し置いて、気になったことに意識がいってしまうのです。意識が他にいっている間は、自分の世界に浸っています。
不注意なので、忘れ物、紛失物が多くなります。とても片付けが苦手なので、常に散らかった状態になります。そんな環境でADHDの子供が過ごすと、ますます忘れ物、紛失物が多く悪循環に陥ります。
本人にとっても困っているのですが、片付け方がわからないのです。片付けることは、やり方を理解し、順序立てて作業を進めるとスムーズにできます。ADHDの子供には、それはとても難しい作業なのです。片付けられないことは子供の時から目立ち、ADHDを疑うきっかけにもなります。
時間管理も苦手で、つい時間に遅れがちになります。
ADHDの主な症状「多動性」
ADHDの子供は、いつもそわそわしています。じっとしていられないのです。大人になると多動性の症状は緩和される傾向にあります。そわそわしても、落ち着きがない程度です。子供が進学すれば、学校で授業中に机に座っていられない、勝手に歩き回ったりしてしまいます。
ADHDの「落ち着きがない」というのは、動き回ってはいけないと分かっていても、コントロールができない状態です。
ADHDの症状の現れ方はさまざま
ADHDの症状の現れ方は個人差があります。先に上げた症状の現れ方も大きく3つに分かれます。衝動性、不注意、多動性の3つがみられる「混合型」、不注意が優勢な「不注意優勢型」、衝動性と多動性が優勢な「多動・衝動性型」です。
ADHDは型にはまらない障がいなので、分類はあくまで目安です。子供の時には目立たなかった症状が大人になって現れることがあります。その逆の場合もあります。
ADHDの症状と周囲の協力
「衝動性」「不注意」「多動性」が引き起こすと分かっていても、周囲の人は困ります。いずれの症状もコントロールが効かないから、障がいと言われるのです。ADHDの子供は自己主張が強くワガママ気ままに振舞っているように見えて、ADHDの症状に苦しんでいるのです。
症状が引き起こすトラブルによって、信頼を失い孤立してしまいます。居場所がなくなりまわりと関わることに疲れてしまいます。本来の良さが生かされないまま、毎日を送るのはつらい事です。
そのために、保護者の方や、周囲の理解が必要です。とりまく環境の大切さは、ADHDの子供が過ごしやすくなるためにも重要なのです。昔と違ってネットで検索すれば、大人はADHDに対して知識を得ることができ対応のアドバイスもたくさん紹介されています。
目に見えない障がいであるため、誤解をされやすいです。ADHDの子供ために、周囲の大人ができることはたくさんあります。
まとめ
ADHD(注意欠陥多動性障がい)の症状について
ADHDの主な症状「衝動性」
ADHDの主な症状「不注意」
ADHDの主な症状「多動性」
ADHDの症状の現れ方はさまざま
ADHDの症状と周囲の協力