ADHD(注意欠陥多動性障がい)は、子どもの発達障害の一種です。ADHDの診断は児童精神科や小児神経科などの専門の診療科でうけます。ADHDとわかれば治療ができるので、できるだけ早期の受診をすすめられています。
子どもの ADHD の 診断基準 というのは、どのようなものでしょうか?
ADHD(注意欠陥多動性障がい)の診断基準について
子どものADHDを疑うきっかけ
ADHDは発達障がいの一種で生まれつきの脳機能障がいです。その原因は未だに研究中です。ADHDは成長するにつれ特徴的な症状が目立ってきます。代表的な症状として、「じっとしていられない・注意力はない・感情のコントロールがききにくい・衝動性がある」などがあげられます。
保育園、幼稚園に通い始め集団生活に参加するようになると、症状が目立ち始めます。行動を観察している子供の担当教師から指摘されることもきっかけになります。
ADHD・診察までにすること
ADHDのことは、ネットで様々な情報が得られます。診察にあたっては、お住まいの地域の情報を得る必要があります。そのためにはお近くの保健センターや発達障害支援センターなどで相談することをおすすめします。
保険診療と自費診療があり、通常は保険診療で行われます。ADHD診断後に医師以外が行うカウンセリング、サプリメントなどは自費診療になります。
ADHDの診察は、児童精神科や小児神経科などの専門の診療科でうけます。スムーズな診断のために事前に用意が必要です。
お子さんの日頃の行動や様子を具体的に記録したもの、母子健康手帳、保育園や幼稚園の連絡帳、小学生であれば成績表や担任からの学校での様子を書面にしてもらったものなど用意します。
ADHD・診察の内容
受診は子どもだけではなく親も参加します。生育歴や家族のこと、病歴、日頃の行動、発達状況などの面談をうけます。
ADHDの症状の現れ方は環境によって異なるため、家での情報だけではなく、一日の大半を過ごす園や学校からの情報も重要です。担当の先生に同席していただくことが望ましいですが、書面で協力していだだきます。
ほかには、行動観察・心理発達検査、行動評価テスト・身体的な検査など様々な段階があります。それらを総合的にみて時間をかけ慎重に判断されます。
多動性や衝動性、不注意はADHDではない子どもにもみられる事と他の病気や障がいである可能性もあるからです。時には7歳をすぎるまで経過観察がされることもあります。
ADHDの診断基準について
ADHDの診断基準は、主にWHO(世界保健機関)の国際疾病分類「ICD-10」と、米国精神医学会の「DSM-IV」の2つが使われています。
これらの診断基準では、多動性、衝動性、不注意などを中心とした症状があげられ、それに当てはまる項目がいくつあるかによって判断するようになっています。
「DSM-IV」の診断基準であれば、次のようになっています。不注意、多動性、衝動性の3症状のそれぞれにいくつか該当すること、それが7歳までに6ヶ月以上持続して症状が確認できること、家庭と園または学校など2ヶ所以上でその症状がみられる場合は、ADHDを疑います。
ADHDのサイトを見れば子供向きの簡易ADHDチェックテストがあります。そのチェックはあくまで参考です。治療につながらない自己判断は避けましょう。ADHDの診断は専門医にしかできまません。
ADHDの診断の難しさと合併症
ADHDの診断が難しいとされるのは、症状はとても似ている他の病気や障がいである場合があるからです。また、ADHDだけでなくその他の病気と障がいを合併している場合もあるのです。ADHDだけの障がいである割合は少ないともみられています。
反抗挑戦性障がい、行為障がい、学習障がい、不安障がいや気分障がいの合併もよくあります。
ADHDの他に合併する病気や障がいがある場合は、ADHDと合わせて治療する必要があるために慎重な検査においての診断が必要になります。
親子とって早期診断・早期療育が大切
今でこそ、ADHDが認知されつつありますが、以前はADHDであることがわからず悩み苦しんでいた親子も少なくありませんでした。昔は、ADHDの子どもとその親に対する受け皿もありませんでした。
自分の子供が他の子供と違うことは、中々受け入れがたいことです。ADHDとわかるまでに、「子育てが間違っているのか」「子供が怠けているのか」とか周囲の言葉に傷つくこともあります。そんな中診断がされてほっとすると親も多いそうです。
ADHDであることがわかれば、親子にとってはそこからがスタートです。治療も療育も診断されないことには始まらないのです。子供を救えるのは親です。ADHDの早期診断は、早期療育につながりADHDの親子を早期から支援できるのです。
まとめ
ADHD(注意欠陥多動性障がい)の子どもについて
子どものADHDを疑うきっかけ
ADHDの特徴とその原因
自分の子どもが、もしかしてADHD?
ADHDの診断を受けるには
ADHDと診断されたら
親子とって早期診断・早期療育が大切