自分の子供がADHDと疑われた場合、親は子供の将来を考え大きな不安を抱え、今後の対応に悩むと思います。子供の発達を促す為には日々の積み重ねが大切です。 ADHD は、 治る 障害ではありませんが療育により社会に適応できる可能性のある障害です。
子供のより良い発達を促す為、家庭でも療育に取り組んでみてはいかがでしょう。簡単かつ効果的な療育方法を参考にしてみてください。
治ることのないADHDだからこそ、家庭での療育が将来の自立へと導く
絵本を読んで聞かせる時間を作る
ADHDの子供に本を読んで聞かせることは中々上手くいきませんが、根気強く毎日続けることが大切です。初めのうちは1分でも、集中して聞いていなくても構いません。一日のうちでこの時間と決めた時間に絵本を読んであげる習慣を作ってください。
一日の時間の流れを確立、パターン化する事が生活習慣を整え、療育環境を整える第一歩です。まずは本読みの時間一つから始めてみる事が大切です。
絵本の読み方を工夫する
読み手の一工夫でぐっと子供の意識を絵本に向けさせる事ができます。
- 子供が絵本に集中しなくなったら、文の途中で急に読む事をやめ、子供が振り向いたら再開する事を繰り返す
- 絵本を読む時は大げさな抑揚をつけ注意を引き付ける
- 「こっちを向きなさい」と注意するのではなく、机を「トントントン」とたたく音などで注意を引く
- 絵本に書いてある絵について子供に簡単な質問をする
- 椅子・テーブルに着かせて本を読んで聞かせる
本の内容を伝えることに重きを置くのではなく、本を読んでもらっている間の子供とのやり取りの内容に重きを置くことが大切です。
床に座ると姿勢も悪くなり集中しにくくなりますので、椅子に座り学校の教室を想定して行う事が望ましいです。絵本の絵には沢山の仕掛けが隠れています。自分から興味を持って聞こうとするように親が仕向けて行く事がポイントです。
子供への言葉かけを工夫する
毎日の親子の会話の時間は絶好の療育のチャンスです。
- 子供と顔を見合わせて話しかける
- 家族皆がゆっくり話しかける
- 話しかける時は唇の動きを強調する
- 子供が理解しやすい短めの単語で話す
- 「これ」「あれ」等こそあど言葉を使用しない
- 子供が発した言葉をおうむ返しして伝える 子供が「車だ」母親「車だね」
人間は人を見るとき初めに顔を見てからほかのところを見る習性がありますが、ADHDの子供は注意が散漫であったりする為、初めに人の顔を見ることも少なく、表情から情報を収集する事が苦手です。
人の顔を見て話すといった機会を沢山設けることは、人とのコミュニケーションを確立していくうえで欠かせません。また、子供がわかりやすい言葉、話す速度に合わせることで、理解しやすくなります。
簡単なお手伝いを頼む
お手伝いを通して、単語、数の概念、手順の理解、達成感、自信、コミュニケーションを一挙に学ぶ。
「白い」「お皿を」「2枚」「戸棚から取って」「お父さんの所へ」「持って行って」といったように色、物の名前、数、人の名前、手順、場所、動作をしっかりと子供に伝えてお手伝いを依頼しましょう。簡単なお手伝いの指示に中にも大切な学習の機会が詰まっています。
そして、もっとも大切なことはお手伝いが上手にできても、できなくても褒めるということです。子供は褒められることでやる気になり、自分の存在意義を確立します。そこから得られる自信が自分から「何かやってみよう」といった向上心につながっていくのです。
早寝、早起き、朝ご飯
人の精神状態を整える脳内物質にセロトニンというものがあります。これは夜10時から夜中の2時ぐらいの間に脳内より分泌されるといわれています。このセロトニンの分泌が少なくなると落ち着きがなくなったり集中できなくなったりといった事につながります。
また、一日は24時間ですが人間の体内時計は25時間で推移しています。この誤差を整えるのが朝ごはんです。朝日を浴び、朝ご飯を食べることで体内時計がリセットされ生活リズムが整うのです。これを怠ってしまうと、昼夜逆転するなど生活リズムが崩れ、日中の活動ができなくなることにもつながります。
ADHDの子供に関わらず規則正しい生活リズムは人間にとって必要不可欠です。忙しい朝にしっかりした朝食が準備できない場合は「バナナ」「トウモロコシ」がお勧めです。コーンスープとバナナの組み合わせでもよいでしょう。療育は規則正しい生活リズム内には始まりません。
まとめ
治ることのないADHDだからこそ、家庭での療育が将来の自立へと導く
絵本を読んで聞かせる時間を作る
絵本の読み方を工夫する
子供への言葉かけを工夫する
簡単なお手伝いを頼む
早寝、早起き、朝ご飯