子供がADHD(注意欠陥多動性障がい)であると診断がおりたら、治療に進みます。ADHDについては、まだまだわからない事が多いですが、昔に比べると格段と研究が進歩しています。 ADHD は、 治る という意見もあります。ADHDは治る障がいなのでしょうか?
ADHD(注意欠陥多動性障がい)は、治るの?
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ADHDの原因は生まれつきの脳の障がい
ADHDの原因は、脳の伝達機能の障がいであると言われます。脳の前頭前野の働きに問題があるとされています。前頭前野の役割は、脳の司令塔とも言われます。記憶、認知、判断力、行動力、集中力、感情のコントロールを行います。
その前頭前野の働きに問題があるので、「忘れ物をする」「注意力がない」「我慢できない」「その時に相応しくない行動」などの症状が目立って現れます。症状によってADHDの疑いを持ち、専門医の診断を受けます。
子供のADHDの治療
子供に対するADHDの治療は、薬物療法と心理療法です。治療には、親子で取り組みます。症状が様々な障害であるため、個人にあった治療が行われます。
子供にADHDの疑いを感じたら早期診断を受け、早期治療に取り組むことが推奨されています。子供の頃から、きちんと治療に取り組むことによって大いに効果が見られるためです。
ADHDが「治る」と言われている根拠
治ると言われている根拠には、主に薬物治療の効果が見られていることです。「治る」ということは、ADHDの症状が治まりスムーズな生活を送られる事を指しています。
治療の効果や本人の努力や工夫から、大人になるにつれて子供の時のような症状がでないことも「治った」と考えられるのかもしれません。
ADHDが治るとすれば、とても素晴らしいです。ですが、本当にADHDは「治る」と言い切れるのでしょうか?
ADHDは「治らない」と言う意見もあります
ADHDは「治らない」という考えもあります。それは、適切な治療によってADHDの症状が「緩和」されているのであって、障がいが完治されているのではないという考えからです。薬物治療で治るのであれば、治ったならば、薬物治療をしなくてもよくなるのでしょうか?という疑問もでます。
AHDHは、個人によって症状の違う障がいであるために、いずれの症状であっても完治できるという言い方がふさわしくないということもあるでしょう。「治る」という言葉は、ADHDにとって誤解を招くかもしれません。
「治る」という言葉は、誤解を招く危険あり
近年、ADHDのことが社会に認識されつつありますが、全ての人がADHDについて詳しいわけではありません。子供がADHDの診断を受け、親もそこから治療の一環でADHDのことを学び理解します。
どの障がい・病気にも言えますが、「治る」人がいるとすれば、「治らない」人もいます。「治らない」は、治療を怠けているわけではありません。「治る」という表現は、一人歩きしやすくあまりADHDに詳しくない人に誤解を招きます。
きちんと治療を受けている親子の立場に立てば、「治らない」と言い切るのはショッキングな表現です。けれど、わからないことの多いADHDの治療への表現は、慎重であるべきだと思われます。
「治る」にこだわらず、子供の「笑顔が増える事」が大事
ADHDが「治る」「治らない」の言葉にとらわれる必要はないと思います。診断を受け、治療に取り組んでいることが大切なのです。ADHDの子供が、今よりも生きやすくなることが治療目的です。
大切な子供の笑顔が増えること、子供のやりたいことが増えること。それは、親にとって望むことです。適切な治療によってその効果があり、実績があります。その事実が重要です。
まとめ
ADHD(注意欠陥多動性障がい)は、治るの?
ADHDの原因は生まれつきの脳の障がい
子供のADHDの治療
ADHDが「治る」と言われている根拠
ADHDは「治らない」と言う声もあります。
「治る」という言葉は、誤解を招く危険あり
「治る」にこだわらず、子供の「笑顔が増える事」が大事