ADHDは注意欠陥・多動性、衝動性を症状の特徴とする脳の障がいのことです。子どもの発達障害であるとされていましたが、大人のADHDもあると認知されています。ADHDの治療で薬物療法があります。 ADHD の薬物療法の 副作用 についてご説明させていただきます。
ADHDの薬物療法・薬に副作用はあるの?
ADHDの薬物療法で使用される薬の歴史
研究によりADHDが脳の障がいであると判明し、脳の中枢神経に働きかけ、興奮作用を促進する薬が有効だとわかったのです。
1930年に「アンフェタミン」がADHDの子供に処方されました。アンフェタミンは中枢神経興奮作用のある薬物であるため、子どもの注意力を劇的に高める効果があったのです。現在では、「アンフェタミン」の処方はありませんが、脳の中枢神経に働きかけ、興奮作用を促進する薬の有効だという認識は変わっていません。
2008年まではADHDの薬物療法に「リタニン」が使われていました。しかし一部の医療機関による不適切な処方や、不正使用のため社会問題になりました。
そのため厚生労働省により2008年1月から規制強化されました。国内で処方が可能である医療機関は全国で100ヶ所程に限られたことにより、「リタニン」はADHDの薬として実質使用されなくなりました。
ADHDの薬物療法で使用される代表的な薬
脳の脳内の神経伝達物質を増やすために、ADHDの代表的な治療薬には、中枢神経刺激薬「コンサータ」と、非中枢神経刺激薬「ストラテラ」があります。
「リタニン」の規制強化のため、18歳未満の子供への使用される薬であった「ストラテラ」「コンサータ」が厚生労働省により適用が拡大されました。そのため今では大人にも処方されるようになりました。この2つがADHDの代表的な治療薬になっています。
「ストラテラ」は、簡単にいえば非常にゆるやかに効果のある薬です。服用開始後2週間後に効果が見られ、6~8週間後に安定する薬です。本来の効果を得るには、1~2ヶ月は飲み続けなければいけない薬です。
「コンサータ」は、中枢神経刺激タイプの精神薬であり前述のリタニンと同じ成分ですが、12時間持続効果が現れるという違いがあります。コンサータを服用している間は多動がおさまり、物事に集中しやすくなります。薬である以上、副作用もあるため正しく服用しなければなりません。
ストラテラの副作用と注意点
ストラテラの主な副作用には、頭痛、食欲減退、腹痛、傾眠(うとうとする事)、吐き気などがあります。
他にも症状はありますが、個人差があります。ストラテラは、コンサータに比べて依存・濫用性が少ないとされています。ごくまれに暴力的になることもあります。また自殺願望が生じることもあると言われています。
「コンサータ」の副作用と注意点
「コンサータ」は、中枢神経刺激タイプの精神薬であり、強い薬なため「落ち着く」「集中力が上がる」など著しい効果もありますが、副作用の強い薬でもあります。「コンサータ」の主な副作用は、うつ症状、不眠、腹痛、食欲不振などです。他にも症状はありますが、個人差があります。
副作用の強さと並んで問題視されるのは、依存や濫用性が高さです。効果の高い薬ですが、信頼のおける医師の指導のもと、慎重に服用したい薬です。
ADHDの薬について
どの病気にとっても薬は、治療に有効なものです。そしてどのような薬でも効果がある以上、副作用もあります。
担当医師との信頼関係を築き、適切な指導のもとで薬の服用でADHDに有効な治療法のひとつとしてうまく付き合っていきたいものです。
まとめ
ADHDの薬物療法・薬に副作用はあるの?
ADHDの薬物療法で使用される薬の歴史
ADHDの薬物療法で使用される代表的な薬
ストラテラの副作用と注意点
コンサータの副作用と注意点
ADHDの薬について