ADHD(注意欠陥多動性障がい)は、発達障害の一種です。ADHDの認知が広がったことにより子どもの時から診断・治療を受ける子どもが増えてきました。 子ども の ADHD というのは、どのようなものでしょうか?
ADHD(注意欠陥多動性障がい)の子どもについて
発達障がいと知的障がいとの違い
ADHDは発達障がいの一種とされています。発達障害は、こどもが発育する過程で起こる障がいです。ADHDは生まれつきの脳機能障がいですが、生まれつきの障がいには、知的障がいもあります。
発達障がいと知的障がいの違いは何かと言うと、発達障がいは、適切な治療と療育によって改善が見られます。ADHDの場合、知能の問題はみられません。知的障がいには発達障害にない公的な支援があります。
ADHDの特徴とその原因
ADHDの症状の出かたは、子どもによって異なります。ADHDの代表的な症状として、「落ち着きがない・注意力散漫・感情のコントロールがききにくい・衝動性がある」などがあげられます。ADHDの症状のため、子供は孤立してしまい、ひとりぼっちな気分を感じることがあります。
ADHDの原因は、未だ研究中です。判明しているのは、先天性の脳機能障がいであること、脳の神経伝達物質の不足が原因ではないかと見られていることくらいです。諸説ありますが、有力な原因はわかっていません。
先天性であるため、今まで原因だと誤解されてきた親の躾や甘やかしは、関係がありません。また、遺伝ではないかと言われるのですが、そうとは言い切れません。
家族の誰かがADHDであれば、ほかの家族もADHDである可能性は高くなりますが、必ずしも遺伝しているわけではありません。そのため遺伝ではなく「家族性」の障がいであるとされています。
自分の子どもが、もしかしてADHD?
園や学校で集団生活を送る年頃になれば、自分の子どもとADHDではない子どもと行動の目立った違いに気がつきます。ADHDの症状によってトラブルを起こし、たちまち「困った子」というレッテルが貼られます。
発達障害は気が付きにくいとも言われます。親が自分の子どものあきらかなADHDの症状を見ても子供の「個性」だと思いたい、認めたくない気持ちもあります。
けれどそれは、自分の子どものためにはなりません。親が気付き行動してくれないことには、子どもは、治療が受けられないからです。子どもの担当教師などからの指摘が診断を受けるきっかけになることもあります。
ADHDの診断を受けるには
ADHDの診断を受けるには、病院探しから始まります。保健センターや発達障害支援センターなどで相談すると詳しく知ることができます。診断の準備があればスムーズに受診できます。
診断は児童精神科や小児神経科などの専門の診療科で診断をうけます。ADHDの診断は簡単にはでません。受診は子どもだけではなく親も参加します。
生育歴や家族のこと、病歴、日頃の行動、発達状況、テストや面談、身体的な検査などさまざまな段階があります。それらを総合的にみて時間をかけ慎重に判断されます。
ADHDの診断は、7歳前後には判断がされると言われます。それより幼い年齢の子どもは、経過観察になり診断に時間がかかるケースもあります。それほど慎重に診断をくだす障がいです。
ADHDと診断されたら
ADHDと診断されたら、次は治療を受けます。完治する治療法はまだ見つかっていませんが、治療によって、ADHDの子どもの負担は軽くなります。治療方法は、薬物治療と、心理療法を受けます。場合によっては砂糖や添加物の接種を制限する食事療法もあります。
親もADHDについての理解を深め、子どもに合った接し方など学びます。
ADHDの早期発見の大切さ
国をあげてADHDを含む発達障がいの支援や世間に理解を広める動きがなされています。それは、障がいの早期発見により支援・療育がなされ、十分な効果があるとわかったからです。
残念ながら、ADHDは完治する方法がわかっていません。大人になってもADHDの症状は出るために、なおさら早期発見が大切です。現在はADHDだとわかれば、対応できる社会なのです。
専門的な治療や療育、支援によってADHDの子どもの負担は軽くなり、毎日が過ごしやすくなります。早期発見はADHDの子どもの未来を握っています。
まとめ
ADHD(注意欠陥多動性障がい)の子どもについて
発達障がいと知的障がいとの違い
ADHDの特徴とその原因
自分の子どもが、もしかしてADHD?
ADHDの診断を受けるには
ADHDと診断されたら
ADHDの早期発見の大切さ