ADHD(注意欠陥多動性障がい)は、先天性の脳機能障がいです。脳の伝達がうまくいかないために、「じっとできない、落ち着きがない、集中できない。」という症状があります。
以前は子供の発達障がいとされていました。近年では、大人にもADHDがあることがわかりました。ADHDの認知が広がったことによりADHDの症状に気がつき、診断・治療を受ける人が年々増えています。 ADHD の 原因 は一体何なのでしょうか?
ADHD(注意欠陥多動性障がい)の原因について
ADHDは先天性の脳機能障がい
ADHDは、生まれつきの脳の機能障がいです。ADHDは、心の病と誤解されることがありますがそれは誤りです。心の病気になって診察を受け、ADHDだと分かる場合もあります。
生まれつきの障がいで、個人によって症状のあらわれ方が異なります。他の子供と明らかに違う行動をとる、そのことによってトラブルが起きます。困り果ててADHDを疑い、専門医の診断を受け、サポートや治療を受けるのです。
ADHDの原因は未だ研究中
なにか物事について取り組むとします。そのために行動の段取りを組み立て、注意する脳の働きを実行機能といいます。実行機能を調節するのは、大脳の前部分である前頭前野です。ADHDの原因は、その前頭前野の働きに偏りがあるからではないかと考えられています。
ほかには脳内の神経伝達物質や遺伝が関与しているのではないかとも考えられています。脳内の神経伝達物質は100種類以上も存在するといわれています。約40種類の神経伝達物質は判明されていません。
判明している神経伝達物質のドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンの不足が原因とも見られています。
脳自体が解明されていないことが多い臓器です。ADHDの原因は、先天性の脳機能障がいであることまでは、わかっています。それに加えて環境に原因があるとも見られますが詳しいことは、解明されていません。ADHDの原因に関することは現在も研究中です。
ADHDと「家族性」
ADHDでよく言われるのが、「家族性」です。「家族性」は、遺伝とは意味が異なります。遺伝とは、姿や体質などが親から子に伝わることです。「家族性」は、家族の誰かがADHDであれば、ADHDである確率が高くなることです。
必ずしも遺伝するわけではないけれど、そうである確率も高くなるので「家族性」といわれています。お子さんがADHDとわかってから、ご家族の方も調べてADHDだったと判明することも多いです。
その場合、お子さんのすべて兄妹がADHDとは限りません。そういう例から、遺伝ではなく「家族性」という言葉が当てはめられています。
ADHDと「環境」
ADHDの子供には周囲の理解とサポートが必要です。サポートのある環境はとても重要です。ADHDが理解されず、サポートがないまま毎日を過ごすことはADHDの子供にはとてもつらい環境になり、症状も悪化します。
ADHDの子供にとって理解とサポートのある環境であれば、子供の生育はそうでない場合と全く違うものになります。そのことから、「環境」も原因になるとみられています。
ADHDの原因への誤解
昔に比べたら認知されることが多くなったADHDですが、いまだに、原因に対して誤った認識があります。原因が不明であることも誤解される一因になっています。
ADHDの症状のために、「困った子供」とADHDの親子への非難があります。親には、躾が悪い、育て方が悪いという非難があります。脳の機能障がいに、性格や親の育て方や躾は無関係です。けなされて平気な人などいません。何も解決に結びつかない心無い言葉に苦しんでいます。
ADHDは目に見えない障がいです。目に見えないけれど、周囲の理解とサポートが必要なのです。障がいのある方とそうでない方が共に社会生活を送るためには、理解と協力が必要です。
まとめ
ADHD(注意欠陥多動性障がい)の原因について
ADHDは先天性の脳機能障がい
ADHDの原因は未だ研究中
ADHDと「家族性」
ADHDと「環境」
ADHDの原因への誤解