みなさんは ADHD と アスペルガー の違いを知っていますか?
どちらも「発達障害のひとつ」という点では同じですが、実は2つの異なる発達障害です。
それでは、ADHDとアスペルガーの違いを場面ごとに見ていきましょう。
ADHDとアスペルガーはどう違うの?
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アスペルガーとADHD
発達障害には大きく分けて、ADHD、自閉症スペクトラム、学習障害の3つがあり、アスペルガー症候群は自閉症スペクトラムに分類されます。
アスペルガー症候群は自閉症の中でも、言葉の遅れのない自閉症のことをいいます。アスペルガー症候群が男の子に多いとされているのに対し、ADHDは女の子に多いようです。
ADHDもアスペルガー症候群も共に、他人とのコミュニケーションに問題があったり、社会活動の際に問題行動が目立ったりするため、ADHDとアスペルガー症候群を明確に区別することは容易ではありません。
また、多動性の症状も持つアスペルガー症候群や、アスペルガー症候群とADHDを併せ持っているケースも少なくありません。
ですので、実際、ADHDなのか、それともアスペルガー症候群なのかを診断するのが難しい場合もあります。
社会性で見るアスペルガーとADHDの違い
アスペルガー症候群の特徴のひとつとして社会性の問題があり、同年代の子供たちと仲間関係を上手く築くことができません。
幼児期では他人への興味があまりなく、人間関係を築くのを嫌がることもありますが、小学生くらいになると、寧ろ他人への興味があるにも関わらず、その場の暗黙のルールが分からなかったり、一方的な関わり方をしてしまったりして、人間関係を上手く築くことができないでいるのです。
アスペルガー症候群の子供は人付き合いに消極的だと思われがちですが、実は積極的過ぎる場合もあり、却ってそれが問題となるケースもあるのです。
それに対し、ADHDの場合は幼児期から他人には興味があり、アイコンタクトも普通にすることが出来ます。ただ、ADHDの症状である不注意が原因で、友達との約束を忘れてしまったり、多動性が原因で集団行動をとるのが難しかったりします。
コミュニケーションの場で見るアスペルガーとADHDの違い
アスペルガー症候群では、言語力には何の問題もありません。しかし、他人とのコミュニケーションの際に、質的な問題が生じます。言葉の微妙なニュアンスが理解できなかったり、抽象的な言い方が苦手であったりします。
また、その場の空気を読むことが出来なかったり、自分の興味あることを話し続けてしまったりする傾向があります。
一方、ADHDの場合は、言葉の微妙なニュアンスを理解できますし、大抵の場合、その場の空気を読むこともできます。
ただ、ADHDの症状である衝動性が原因で友達の話をさえぎってしまったり、多動性が原因で過度におしゃべりをしてしまったりします。
行動パターンで見るアスペルガーとADHDの違い
アスペルガー症候群の特徴として、決まりやルールに忠実であり、興味にも偏りがみられます。また変化を好まないという特徴があげられます。
ADHDの場合も何かに熱中することがありますが、気が散りやすく、集中力に乏しい特徴も兼ね備えています。
授業中にじっと座っていることが出来なかったり、勉強の際に簡単なミスをしたりします。これは、ADHDの特徴である多動性や不注意からくる症状です。
また、アスペルガー症候群とは異なり、物事の順序に対するこだわりはありません。寧ろ、順番など関係なく思いついたことをすぐ行動に移してしまうのです。
ADHDとアスペルガーを併せ持っていることもある
これまで、ADHDとアスペルガー症候群の違いを3つの場面から見てきました。しかし、実際には、どちらの症状にも当てはまり、「うちの子は一体どっちなの?」と迷うケースも少なくありません。
というのは、ADHDやアスペルガー症候群の症状の現れ方や程度には個人差があるからです。アスペルガー症候群に多動性の症状が加わっているケースや、アスペルガー症候群とADHDを併せ持っているケースも少なくありません。
まとめ
ADHDとアスペルガーはどう違うの?
アスペルガーとADHD
社会性で見るアスペルガーとADHDの違い
コミュニケーションの場で見るアスペルガーとADHDの違い
行動パターンで見るアスペルガーとADHDの違い
ADHDとアスペルガーを併せ持っていることもある