アデノウイルスは50種類以上もの血清型があるために上気道炎・胃腸炎・結膜炎・膀胱炎などのさまざまな症状を引き起こすことがよく知られています。種類が多いために免疫がつきにくく、何度もかかることがあります。
アデノウイルス の検出のためにはどのような 検査 をするのでしょうか。その必要性とともにご紹介いたします。
なぜ必要アデノウイルス検出検査?出席停止期間は何日ほど?
アデノウイルス感染による典型的な症状とは
アデノウイルスによる最も典型的な症状は扁桃腺炎です。扁桃腺に白い膿のようなものがついて高熱が出ます。
扁桃腺炎に結膜炎を合併した咽頭結膜熱も非常に多くみられます。咽頭結膜熱はプール熱という呼称の方が馴染み深いかもしれません。
アデノウイルスによる胃腸炎は同じように白色便になるロタウイルスによる胃腸炎に比べると症状が軽いとされています。
咽頭結膜熱や流行性角結膜炎などの結膜炎も数多くみられます。流行性角結膜炎を引き起こすアデノウイルスは咽頭結膜熱を引き起こすものと血清型が違い、症状も感染力も非常に強いことがよく知られています。
その他、出血性膀胱炎・肺炎・脳炎などを引き起こすこともあります。
アデノウイルス検出の検査方法とは?
以前はアデノウイルスの確定診断のためには唾液や鼻汁から検出したウイルスを分離して抗原を検出するということが行われていました。
これは手間も時間もかかり、実用的ではありませんでした。現在では迅速検査キットが開発されて非常に簡便に検査ができるようになっています。
唾液や鼻汁を試薬につけて10~15分で結果を得ることができるのです。
咽頭粘膜のアデノウイルス検出を例に検査方法をもう少し詳しくご紹介いたします。
大きく開けた口の舌を舌圧子で抑え、口蓋・扁桃・咽頭後壁にキットの付属品の綿棒を強くこすりつけるようにして検体を採取します。
検体希釈液と呼ばれる試薬の中に綿棒を入れて、10回以上混ぜて、最後に綿棒の軸をひねって検体の含まれる溶液を絞り出します。
キットの付属品のテストスティックを検体希釈液容器に入れて、10分後に結果を見ます。
アデノウイルスは鼻汁や糞便からも検出することができますが、鼻汁や糞便が検体の場合も検体の採取以降は上述の方法と同様にしてアデノウイルスの抗原を検出する方法がとられます。
この方法はインフルエンザウイルスの検出などですでに経験済みだというお子さんも多いのではないでしょうか。
お子さんにとっては検体の採取の際に多少の痛みを伴いますが、高い感度をもち、迅速に検査ができる検査法であると言うことができます。
アデノウイルス検出検査の必要性とは?
まず一番に、正しい治療を施すためには病気の原因を知る必要があるということが言えます。
ウイルスの種類を知ることで、その後の病気の経過をおおよそ知ることができるという利点もあります。
また、アデノウイルスは感染力が強いことから、保育園や幼稚園、小中学校などで出席停止期間が設けられていますので、検査の必要性が出てきます。
アデノウイルスによる感染症の中で出席停止期間が決められているのは「特定の感染症」第二種に指定されている咽頭結膜熱と第三種に指定されている流行性角結膜炎です。
咽頭結膜熱の場合は症状がなくなってから2日間までは出席停止となっています。流行性角結膜炎は医師が「感染を広げる恐れがない」と判断するまでの期間の出席停止となっています。
病気が治って登園・登校する場合には診断書・治癒証明書・登校許可書などという書類が必要になることがあります。
出席停止期間の定められている病気であることが判明した時点で、どのような書類が必要とされるのかたずねておくとよいでしょう。
冬期に多くみられるアデノウイルスによる急性胃腸炎には特に出席停止期間は設けられていませんが、感染力が強いということには変わりありません。
症状が回復するまでしっかりと体を休ませることが大切です。
アデノウイルスは症状がなくなっても一定期間ウイルスが体内に留まることがよく知られていますので、家庭内も含めて二次感染を広げない心がけが大切になってきます。
まとめ
なぜ必要アデノウイルス検出検査?出席停止期間は何日ほど?
アデノウイルス感染による典型的な症状とは
アデノウイルス検出の検査方法とは?
アデノウイルス検出検査の必要性とは?