糖尿病と聞くと成人の中高年者がなりやすい成人病のイメージですが実は子供や若い人に多い糖尿病もあります。これは1型糖尿病です。
糖尿病には2種類あります。1型糖尿病と2型糖尿です。20歳以上に発症するのはほとんどが2型糖尿病です。10才未満ではほとんどが1型糖尿病で10代になると発症率も増加するだけでなく2型糖尿病の発症率も増えます。
ここでは子供や若い人に多い 1型糖尿病 について詳しく説明します。
子供や若い人に多い1型糖尿病の原因と治療方法
1型糖尿病とは
1型糖尿病とは体内のインスリン量が絶対量が少なくなり発症する病気です。日本人の発症は比較的少なく糖尿病全体の約5%に満たないといわれています。1型糖尿病は子供や若い人に発症することが多いのが特徴です。以前は「小児糖尿病」と呼ばれていました。
インスリンとは
インスリンとは血液中のブドウ糖の濃度(血中濃度)が慢性的に高くなることで発症するのが糖尿病です。ブドウ糖の濃度をコントロールするのがインスリンです。すい臓のβ細胞でつくられるホルモンで血液中のブドウ糖を筋肉や肝臓に取り込んで血糖値を正常に保つ働きをします。
健康な人は食事をすると血糖値は上昇するのですがそれを素早く察知してすぐにインスリンを分泌するのです。
しかし1型糖尿病の患者さんはなにかしらの理由でβ細胞が破壊されてインスリン分泌ができなかったり分泌量が極めて少なかったりしてブドウ糖処理ができずに血液に漏れてしまします。
1型糖尿病の原因
1型糖尿病の発症の原因は詳しくはわかっていませんが「自己免疫」が主な原因ではないかといわれます。人間の身体は体内に侵入してきた異物を排除する免疫機能がありますがこの免疫機能に異常がおこり自分自身の細胞を攻撃することが自己免疫です。
1型糖尿病では自己免疫がβ細胞を攻撃することが原因ではないかと考えられています。
1型糖尿病の症状
1型糖尿病の症状としては血糖値が上昇し腎臓が血液中のブドウ糖を水分と一緒に尿として排泄されるために尿の量が増えることで回数が増えます。
尿の量が増えて排泄量が増えたことで体内の水分が不足して喉が渇いて水分がたくさん欲しくなります。
食事をしても糖質をエネルギー活用できないので筋肉や脂肪が代わりに分解されてエネルギーとして使うため食べても体重が減少して痩せます。
全身のエネルギー不足で体重が減り体力も減退するので全身の倦怠感やあり疲れやすくもなります。これらの症状が急激におこります。数ヶ月以内にインスリン治療が必要です。
中には急激な進行で血糖値上昇から1週間で合併症を発症するケースもあります(劇症1型糖尿病)その反対にゆっくりと発症する緩徐進行1型糖尿病もあります。
1型糖尿病の治療方法
日本では1型糖尿病の患者数は少なく治療経験豊富な医師が多くはありません。残念なことに2型糖尿病の治療方法をそのまま適応されることが少なくはありません。
1型の患者には食事制限や運動療法は肥満や生活習慣病を招かない程度でいいです。
過度の生活指導は有害なことが多く余計なストレスをもたらします。患者にインスリンの大切さを習熟してもらい生活に合わせたインスリンの使い方をするサポートが重要です。
インスリン注射の方法
自分自身のインスリン分泌がなくなるのでインスリン注射で生理的なインスリン分泌で補います。健常者は食事をしなくても少しずつ分泌される基礎分泌と食事や間食時に急速に分泌される追加分泌があります。1型糖尿病の人は基礎、追加分泌をできるだけ上手く補充することが重要です。
そのためには強化インスリン療法で治療します。インスリンを頻回注射する療法です。医師の指示に従い患者自身がインスリン注射を決められた範囲で調節し良好な血糖値コントロールを目指すことです。
食事をする患者では各食事前と就寝前の1日4回血糖値を検査して各食事前には超速効型インスリン、就寝前には持続型インスリンを皮下注射で行います。
各食前のインスリン量は個人差や条件で異なりますが1日の総カロリーが1800カロリーの時には毎食6~18単位で持続型インスリンを含めて合計30~50単位前後となります。
まとめ
子供や若い人に多い1型糖尿病の原因と治療方法
1型糖尿病とは
インスリンとは
1型糖尿病の原因
1型糖尿病の症状
1型糖尿病の治療方法
インスリン注射の方法