「しっかりと治しておきたい小児の気管支喘息について(前編)」では、気管支喘息の原因や症状についてご紹介しました。後編では 小児 の 気管支喘息 の治療法や日常生活での注意点をまとめます。予防治療をしっかりと行い発作をコントロールしましょう。
しっかりと治しておきたい小児の気管支喘息について(後編)
気管支喘息の治療
気管支喘息の治療では、発作が起きた場合の治療と、発作が落ち着いた後の治療という二つを柱にして治療を行っていきます。
発作が起きた時の治療では、気管支拡張剤を吸入したり、急いで内服したりします。発作がおさまらない場合はステロイド剤を用いた点滴を行います。発作の程度が重く、自力で呼吸ができない状態に陥った場合は機械で人工呼吸を行い、呼吸の安定をはかります。
発作が落ち着いた後の治療では、症状の程度によって投薬の方針が変わるとされています。数カ月に一度程度、発作が起きる比較的症状の軽い喘息では、症状があらわれた時にだけ気管支拡張剤を吸入したり、内服したりすればよいと考えられています。
発作が頻繁に起きる場合や病院を受診しないとおさまらない発作が起きる場合は、オノンやシングレア、キプレスなどの内服とインタール、フルタイド、キュバールなどの吸入を行うこともあります。これらの薬は、年齢と症状の程度によって選択されます。
これらの薬はただれてしまった気管支の修復を目的としています。気管支炎の慢性化がみられてから治療をはじめると、予防治療を数年、継続しなければならないということもあります。どれくらいの期間で気管支の修復ができるかという点については、個人で大きく異なります。
予防治療を行って、数カ月の間、発作が起きないと薬の内服や吸入をやめてしまうことがあります。気管支喘息は医師が慎重に管理を行っていく病気ですので、医師の指示を無視して勝手に薬の内服や吸入をやめてしまうと完治が難しくなってしまいます。子供のうちにしっかりと適切な治療を受けて、治しておくようにしましょう。
以前、よく使われていた喘息治療薬のテオドールなどはけいれんを起こしやすいことが分かってきました。熱性けいれんになったことがある子供や、脳になんらかの病気を持っている子供などには処方を控えるべきであるという考え方が一般的になっています。
気管支喘息の治療は長い時間がかかります。信頼できる医師のもとで、親は治療方針をよく理解した上で、適切な治療を受けるようにすると良いでしょう。
気管支喘息の子供の日常生活での注意点
子供が気管支喘息であるとわかったら、まずは部屋を綺麗に掃除するようにしましょう。喘息の大きな原因となるダニは、室温25度、湿度70パーセントで繁殖しやすくなります。
畳やじゅうたん、ベッドなどは湿気を帯びやすいので、ダニの絶好のすみかとなります。フローリングではダニは繁殖しづらくなりますが、ほこりが舞い上がりやすくなりますので、こまめに掃除をする必要があります。
フローリングに掃除機をかけると、ほこりが舞い上がりますので、フローリング用ワイパーなどで拭き掃除をすると清潔を保つことができるようになります。
学校や幼稚園で宿泊がある場合には、宿泊先のダニやハウスダストなどで発作を起こすことがあります。花火やキャンプファイヤーの煙などでも発作が起きることがあります。
いつもと違う環境で過ごす時間が長い時は、かかりつけの小児科医や学校、幼稚園の先生と気管支喘息の発作時の対応についてよく話し合っておくと安心です。
まとめ
しっかりと治しておきたい小児の気管支喘息について(後編)
気管支喘息の治療
気管支喘息の子供の日常生活での注意点