「効果の高いロタウイルスの予防接種で子供を感染から守る(前編)」では、ロタウイルスワクチンの有効性についてご説明いたしました。後編では、 ロタウイルス ワクチンの 予防接種 時期や同時接種できるワクチンについてご説明いたします。
効果の高いロタウイルスの予防接種で子供を感染から守る(後編)
ロタウイルスワクチンの接種時期
ロタウイルスワクチンは生後6週から接種を開始することができます。
5価型のロタテックは3回接種を行います。4週間隔で3回の接種が必要で、生後32週以降は接種できません。生後32週(224日)までが接種期限となるので、遅くとも生後14週6日までには1回目の接種を開始しておく必要があります。
1価型のロタリックスは2回接種を行います。4週間隔で2回の接種が必要で、生後24週(168日)までが接種期限となるので、遅くとも生後14週6日までには1回目の接種を開始しておく必要があります。
ロタウイルスワクチンの接種期間が他のワクチンと比べて短いのは、腸重積が発症しにくい低月齢のうちに接種を完了するという目的があるためです。接種期限は厳密で、体調不良などの場合でも、1日でも期限を過ぎてしまうと接種できなくなってしまいます。
ロタウイルスワクチンは同時接種できる?
ロタウイルスワクチンは生ワクチンです。そのため、ロタウイルスワクチン接種後4週間は他のワクチンの接種ができなくなります。0歳代は接種しなければならないワクチンが集中している時期ですので、うまく同時接種を行って乗り切っていかなければなりません。
ロタウイルスワクチンは他の予防接種と同時接種ができるとされるワクチンです。世界でも同時接種が勧められているワクチンですので安全性にも問題はありません。
推奨接種スケジュールとしては、2か月の時に1回目を小児用肺炎球菌ワクチンやHib、B型肝炎ワクチンと同時に接種を行います。3カ月の時に2回目を小児用肺炎球菌ワクチンやHib、B型肝炎ワクチン、DTPと同時に接種を行います。
3回目の接種があるロタテックを使っている場合は、4か月の時に小児用肺炎球菌ワクチンやHib、B型肝炎ワクチン、DTPと同時接種を行うと良いでしょう。
ただし、小児科医の中には同時接種を行っていないというところもありますので、スケジュールや同時接種についてはかかりつけの小児科医としっかり相談の上、進めていくようにしましょう。
ロタウイルスワクチンを接種する際の注意点
ロタウイルスワクチンは、現在、任意の予防接種です。費用が高い予防接種で、ロタテックは1回8,000円程度、ロタリックスは1回12,000円程度かかるとされています。ワクチン代は病院によっても異なるので、接種前には費用についても確認しておく方が安心です。
ロタウイルスワクチンは生ワクチンですので、接種後1週間ほどは便の中にロタウイルスが排泄されます。接種後は普段以上に手洗いに気を配るようにしましょう。
ロタウイルスワクチン接種後、まれに腸重積が発生することあるということを認識し、いちごジャムのような血便が出たらすぐに病院に連絡を取るようにします。腸重積の既往がある子供については、ロタウイルスワクチンは接種することができません。
まとめ
効果の高いロタウイルスの予防接種で子供を感染から守る(後編)
ロタウイルスワクチンの接種時期
ロタウイルスワクチンは同時接種できる?
ロタウイルスワクチンを接種する際の注意点