尿路感染症は尿道口から細菌が膀胱に入ることで発症し男の子より尿道の短い女の子の方が感染をおこしやすいです。2歳までの発症は男女の頻度は大きな差がありません。年齢問わずに発症するのですが年齢に応じた看護が必要になります。
ここでは小児 尿路感染症 に対する家庭でできる 看護 と治療方法を詳しく説明いたします。
尿路感染症に対する家庭でできる看護とは
子供特有の原因はあるのか
赤ちゃんにも発症する尿路感染症は痛みがあっても言葉で症状を伝えることができません。
一般的には38.5度以上の高熱が見られます。機嫌が悪くおっぱいを飲まない、嘔吐や下痢の症状もあらわれます。普通の風邪症状と区別がつきにくいことがあります。
その他の症状として少し赤っぽい尿や腐った臭いがしないか特徴的な症状がないか確認が必要です。原因となる病原体は大腸菌が多くそれ以外では腸内細菌です。
学童期以降の児童ではトイレが近い、排尿時痛が強いなど排尿に伴う症状が中心になります。幼児の場合に発熱や機嫌の悪さに加え日頃はしないおもらしをすることがあります。いつもは間に合うのに我慢できずに失禁やパンツが濡れているときは注意してください。
治療方法
学童期以降の女の子で初めての膀胱炎で症状が消失したら病院受診の必要はありません。
高熱を伴う尿路感染や膀胱炎を繰り返す時は尿路(腎臓、尿管、暴行、尿道)の形態や排尿機能に障害がある可能性があります。その場合は症状が消失しても小児専門の泌尿器科を受診してください。
発熱を伴わない膀胱炎は抗菌剤を3日間の服用で完治します。多くの場合、抗菌剤を服用して24時間で症状が改善されてきます。しかし高熱を伴えば腎盂炎が疑われ抗菌剤服用は2週間必要になります。
感染初期には脱水をおこすことが多く点滴で抗菌剤を投与します。
乳幼児の高熱を伴う尿路感染症は膀胱尿管逆流症の頻度が高くなります。放置すると尿路感染を繰り返すだけでなく腎臓に障害をもたらす可能性があるので初めての尿路感染にしても検査をする必要があります。
検査はエコーと排尿時膀胱造影が基本検査です。尿路感染から回復後に早めに受けてください。
日常的にできる予防
普段から十分な水分補給を心がけます。3歳~5歳で1日500~800ml、小学は800~1,000mlを目安に摂取します。オシッコを我慢せず3時間を目安にトイレに行くようにします。
カフェインの含まれている緑茶、紅茶、コーヒー、コーラーの摂取は控えてください。便秘をしないように食物繊維を十分摂取するようにします。
便秘は尿路感染の一番の問題です。
女の子では排便時の始末を前から後ろに拭くしつけをします。外陰部を清潔に保つことを心がけてください。しかし石鹸で洗うことでかぶれることがあります。温かいシャワーで軽くあらうだけで十分清潔が保たれます。
男の子の場合はむやみに触らないことです。包皮の周りに細菌が溜まりやすくなります。「病気になるからむやみに触らない」ことをしっかり教えてください。
年齢や性別に応じた適切な看護
特別なことがない限り乳幼児の尿路感染症が腎不全まで進行することはありません。症状を繰り返す時は注意が必要です。原因が先天性の異常の場合もあり原因を早く取り除き痛みから開放するために医師の診断を受けてください。
発熱がある時は体力消耗や脱水にもなるので常温に戻したスポーツドリンクや白湯などをこまめに摂取することです。
体力をつけるために安静にして栄養補給をすることが大切です。体は細菌と戦う状態なので免疫機能を上げる食材を選び食事の内容にも注意してください。
悪寒がある時は保温も大切ですが汗をかいているときは不要で保温のし過ぎに注意してください。
水分をたくさん摂り尿として排出することも治療の一つです。勢いよく排尿することで細菌が洗い流されます。
薬の管理はもちろんですがご両親自身が子供に服用するタイミングを忘れることがないよう注意してください。薬を服用すると短期間で回復傾向を示しますがご両親の自己判断で勝手に薬の服用を中止しないでください。
アレルギー副作用がでていないかも確認が必要です。薬は子供には飲みにくいものです。体調が悪いことで上手く飲めない時もあり、無理にでも飲ませる強い意志が必要です。
子供はご両親の応援で苦手な薬も頑張って飲もうとします。上手に飲めたときは「頑張ったね」や「上手に飲めてすごいね」などしっかり褒めてあげてください。
まとめ
尿路感染症に対する家庭でできる看護とは
子供特有の原因はあるのか
治療方法
日常的にできる予防
年齢や性別に応じた適切な看護