ヘルペスはストレスや不規則な生活で唇にできるできもの、もしくは性感染症という大人の病気のイメージはありませんか?実は、大半の大人が乳幼児期にヘルペスウイルスに感染しています。
口 唇 ヘルペス は抵抗力が弱い子供では、重症化することがあるため注意が必要です。
子供がかかりやすい口唇ヘルペスってどんな病気??
ヘルペスってどんな病気?
ヘルペスはヘルペスウイルスによる感染症のことを指しています。「性器ヘルペス」や「口唇(こうしん)ヘルペス」などヘルペスがつく病気の名前が複数ありますが、これはヘルペスウイルス科に属するウイルスがたくさんあり、種類によって病態が変わるからです。
人間に病原性をもつヘルペスウイルスは数種類確認されています。例えば、単純ヘルペスウイルス1型は口唇ヘルペス、単純ヘルペスウイルス2型は性器ヘルペス、EBウイルスは伝染性単核球症、水痘・帯状疱疹ウイルスは水ぼうそうや帯状疱疹をおこします。いずれも子供によく起こる病気ですね。
ヘルペスと聞くとこわい病気と思うかもしれませんが、口唇ヘルペスを起こす単純ヘルペスウイルス1型には約70~80%、性器ヘルペスを起こす2型は2~10%の人が感染していると言われています。
ヘルペスウイルスが感染していても無症状であることが多く、ほどんどの場合問題にはなりません。さらに、ヘルペスウイルスは感染してもすぐに症状が出ず、何年もたってから症状がでることがあります。
どこからヘルペスがうつるの?
ヘルペスは接触感染でうつります。単純ヘルペスウイルスは感染力が強く、感染者の使用した食器やタオルなどを介しても感染します。家族に感染者がいる場合、家族間感染が多いのが特徴です。
また、単純ヘルペスウイルス1型は口唇ヘルペスが多いのですが、2型と同様に粘膜や眼にも感染します。
症状があるとき、患部ではウイルスを大量に排出しているので、患部をふいたタオルで他の場所をふく、あるいは患部をさわった手で粘膜や眼などをさわると口唇ヘルペスが他の部位にうつる可能があります。
主な口唇ヘルペスの症状とは
初めての感染なのか、再発なのか、また体調などのさまざまな要因で症状の程度は変わります。
初感染のときは、唇や口の中、口の周りといった広範囲に、5mm大の水疱が多発し、発熱、リンパ節の腫脹を認めます。再発時では、唇の周囲といった一部に限局してみられることが多く、軽症となります。口内炎を生じることもあります。
水疱は10日~2週間程度でかさぶたになり、症状は改善しますが、アトピーといった免疫力や皮膚のバリアが低下している子供では、症状が重症化し、長引くことがあります。
ヘルペスの診断と治療
診断は、唇にあらわれた特徴的な所見から診断されることが多いのですが、確定診断には、破裂した水泡を擦過して染色するツァンク試験や、培養検査が行われることもあります。
ごくまれに、ヘルペス脳炎を起こすことがあり、適切な治療を行われなければ致命的となります。この病気が疑われた場合、脳脊椎液を採取して培養検査・PCR検査、MRI検査が行われます。
予防接種はありませんが、飲み薬や塗り薬の抗ヘルペスウイルス薬があり、治療に用いられます。重症の場合は、点滴剤も用いられます。
抗ヘルペスウイルス薬は、無症状のときに潜伏しているウイルスまで退治する効果はありませんが、症状があらわれたときに、ウイルスの増殖を抑えたり、症状を軽くしたり、早く改善させるといった効果があるため、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ
子供がかかりやすい口唇ヘルペスってどんな病気??
ヘルペスってどんな病気?
どこからヘルペスがうつるの?
主な口唇ヘルペスの症状とは
ヘルペスの診断と治療