誤嚥(ごえん)性肺炎という病名を聞いたことはありますでしょうか。通常の肺炎とは違い長引く咳や発熱がなく発見されにくいため、重症化してから気づくケースもあると言われています。 誤嚥性 肺炎 の原因・症状例・予防法などについて詳しい情報をお伝えします。
幼いお子さんの誤嚥性肺炎に注意
誤嚥性肺炎とは?誤嚥性肺炎の原因
食べ物を飲み込むことを嚥下(えんげ)といい、それが正しく行えないことを嚥下障害といいます。そして嚥下障害によって、唾液や飲食物が気管・気管支に入ってしまうことを誤嚥といいます。
誤嚥性肺炎は誤嚥が原因となり、唾液や飲食物そのもの・それらに付着した細菌が肺に入ってしまい炎症を起こすことで発症します。体調が悪いときに嘔吐したものを誤嚥したり、まれなケースではありますが就寝中に口の中の細菌を誤嚥したりすることによって発症する場合もあります。
通常、人の体は異物が気管に入ってしまった場合は咳込むことで異物を気管から排出しようとします。(就寝中に誤嚥した細菌も、通常であれば起床後に痰とともに体外に排出されます)
ですが、体が発達過程にあり未熟である乳幼児や、排出する力が弱くなってしまった高齢者などは上手に異物を排出することができず、誤嚥性肺炎を起こしてしまいます。
誤嚥性肺炎は周りの人が正しい知識を持って早期発見することで、早期に治癒するのが理想的です。
どのような症状が出るの?誤嚥性肺炎の見つけ方
誤嚥性肺炎は、肺炎という名前がつけられていますがゴホゴホとした咳をし続けるような症状は出ません。ですから、気づくのが遅れがちになってしまいます。
ですが、急にむせこんで咳をし始めたら咳が長引くようになったり、普段の風邪とは様子の違う咳が出ていたり、喉がゴロゴロいっているような症状を感じたら、要注意です。誤嚥性肺炎を疑って、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
高熱や常に咳が出るわけではないので「たいしたことはない」と判断しがちですが、誤嚥性肺炎を見逃して重症化してしまうと入院が必要になったり、呼吸不全を起こしてしまうような場合もあります。
最悪の場合は死に至ってしまうケースもありますから、心配なことがあれば医療機関を受診するのがポイントです。
飲食物の誤嚥後、咳込みがすぐに治まっても数日後に咳込みが続くようになれば、気管や肺が炎症を起こしている可能性があります。誤嚥した可能性が考えられるなら、医師の診断を受けましょう。
治療方法
誤嚥性肺炎の疑いがある場合、医師はまず聴診器で肺の音を確認します。何らかの異物が気管や肺に入っていないかどうかは、胸部のレントゲンを撮って確認をすることになります。
異物があれば取り除く処置を受けなければなりません。(異物除去の処置自体は内視鏡で簡単に済ますことができます)
気管・肺に異物がなくなれば、抗生剤によって肺炎の治療が行われます。症状の程度によりますが、気管の炎症が治まるまでは口からの哺乳・飲食が禁止される場合もあります。他の病気と同じように早期発見・早期治療が早く直すカギとなります。
予防する方法
誤嚥性肺炎を予防するには、誤嚥を防ぐことが大切です。そのためには、お子さんの食事に一工夫をしましょう。
あまり弾力のあるものを食べさせたり、噛み潰さず飲み込めるようなものを与えたりしないように気をつけます。また、食べ物を持ち歩きながら食べたり、食事しながら遊んだりすることがないように食事に集中させることも大切です。
さらに、食事の際にはお子さんの食事の様子を見守るようにします。嚥下障害を起こして咳込んでしまったら、数日間はお子さんの様子や咳の状態に特に気をつけるようにしましょう。
まとめ
幼いお子さんの誤嚥性肺炎に注意
誤嚥性肺炎とは?誤嚥性肺炎の原因
どのような症状が出るの?誤嚥性肺炎の見つけ方
治療方法
予防する方法