「実は怖い子供の腸閉塞 原因を知り早めの対策を(前編)」では、腸閉塞の種類についてご紹介いたしました。後編では、 腸閉塞 の 原因 や症状、治療法についてご説明いたします。
腸閉塞の1番の予防法は便秘をしないことです。毎日の排便習慣を身につけることはとても重要な予防法となります。
実は怖い子供の腸閉塞 原因を知り早めの対策を(後編)
原因
腸閉塞の原因は生後すぐに発症する場合と、そうでない場合で症状が異なります。
まず、生後すぐに腸閉塞が起こる代表的な疾患は機械的腸閉塞である先天性小腸閉鎖狭窄です。同様の症状が食道や十二指腸にもみられることがあります。
また、機能的腸閉塞で代表的なものはヒルシュプルング病であり、腸管はしっかりと出来上がっているのに腸が正常に動かないといった病気があります。
次に生後すぐに発症しない場合は、壊死性腸炎、腸重積等の消化器疾患やその他の泌尿器疾患が引き金となって起こる事が多くみられます。特に壊死性腸炎はミルクの呑み初め頃に多く、腸重積は生後半年から2歳の間に多く見られます。壊死性腸炎の原因は不明です。
広範囲の腸管に炎症や出血がみられ死亡率も高いものです。誘因として授乳や感染症、薬剤の使用などがあげられますが未だに発症原因はわからないままです。
腸重積は腸管の中に腸が入ってしまうことで引き起こされます。蛇腹のような腸の一部が重なり合ってしまったような感じです。このまま放置しておきますと、血流障害を生じその部分が壊死してしまいす。
発症後24時間以内であれば手術以外の方法でもとに戻すこともできる場合がありますが、なかなか早期発見が難しいことも事実です。
症状
子供の場合、最も顕著な症状としてあらわれるものが嘔吐です。小学生以下の子供であれば腹痛やお腹の膨らみの異常に気付くこともできますが、小学生になると我慢する子もいたりして発見が遅れがちです。
腸閉塞は、強い腹痛が襲ってきたり痛みが急に和らいだりと繰り返すことが特徴です。嘔吐の内容物にも特徴があり、はじめは胃液が多く白かったり透明であったりします。それが次第に胆汁へと変わり黄色身を帯びて苦い感じがするものになっていきます。
症状が末期に近づくと小腸や大腸の内容物が逆流し便そのものが出てくることになります。一旦嘔吐すると一時的に痛みが和らぎます。
しかし、腸閉塞の中でも症状が重い絞扼性腸閉塞は腸がねじれている状態ですので、痛みも激しく継続します。次第に顔面蒼白、冷や汗、脈や呼吸が弱く早くなります。そして、ついにはショック状態に陥り、最悪死に至ります。この場合緊急手術で対応しなければなりません。
治療
絞扼性腸閉塞は手術対象です。それ以外は保存的療法でも治療する可能性があります。
よく取られる方法は絶食し点滴を行うといった方法です。一時的に腸内を空にしていくことで閉塞を緩和し腸の状態をもとに戻していきます。ただし、再発の可能性は残りますので日々の予防対策が欠かせません。
予防
一番の予防は便秘をしない事です。ですので、食物繊維の多い食事をし、水分を十分にとり運動も適度に行う事が望ましくあります。
また、排便習慣を身に着けるために毎日決まった時間にトイレに座って排便を促してみるという事も軽視されがちですが最も重要な便秘予防対策の一つです。
まとめ
実は怖い子供の腸閉塞 原因を知り早めの対策を(後編)
原因
症状
治療
予防