「子供にもおすすめのつらい蓄膿症治療の市販薬とは?(前編)」では、蓄膿症の原因や症状についてお伝えいたしました。後編では、 蓄膿症 におススメな 市販薬 について、また子供の蓄膿症についてお伝えいたします。
子供にもおすすめのつらい蓄膿症治療の市販薬とは?(後編)
蓄膿症のおすすめの市販薬とは?
蓄膿症は細菌が膿となって副鼻腔に長期にわたってとどまっている状態です。そのため単なる鼻づまりの治療薬を投与しても一時的な改善で終わってしまって、蓄膿症自体の治療としては意味がありません。
蓄膿症の治療薬として近年最も知名度を上げている市販薬と言えばチクナインaまたはチクナインb(小林製薬)でしょう。蓄膿症、副鼻腔炎、慢性鼻炎などに適していて膿や炎症を抑えて呼吸を楽にするという効能があります。
顆粒タイプは2歳以上であれば服用可能で、錠剤タイプは5歳以上からの服用となっています。
主成分は辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)と呼ばれる生薬で辛夷(しんい)、知母(ちも)、百合(びゃくごう)、黄ゴン(おうごん)、山梔子(さんしん)、麦門冬(ばくもんどう)、石膏(せっこう)、升麻(しょうま)、枇杷葉(びわよう)の9つの生薬が使われています。
おもにサラサラの鼻水ではなく、膿性鼻汁の状態になった時に処方される成分が入った漢方です。鼻づまりを改善させ膿性鼻汁を軽減させる、炎症や熱を鎮める、化膿を止める、炎症の慢性化による熱傷を改善する、頭痛を和らげる、滋養強壮、痰を切れやすくするなどの効能が認められています。
主成分が生薬となっているので副作用が比較的少ないために子供にも適しています。そのほか漢方の販売をおこなっているツムラでは葛根湯加川キュウ辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)という漢方も出されています。
こちらも2歳以上であれば服用可能となっています。効能としては辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)同様に蓄膿症に効くものとされていますが、順番としてはまず葛根湯加川キュウ辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)を暫く試した後、症状が改善される様子がない場合に辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)に切り替えるといった方法が取られるようです。
そのほかステロイド入りの点鼻薬が市販薬として販売されています。慢性鼻炎などに効く点鼻薬には血管収縮の効能があるため、炎症し腫れあがった鼻の粘膜に点鼻することで腫れを抑え鼻づまりを緩和させます。
しかし蓄膿症の場合、鼻の奥にある副鼻腔に大量の膿が溜まっているため、その膿をそのままの状態で鼻づまりを抑えるだけでは一時的な症状緩和にしかなりません。
またステロイドが含有された薬剤は非常に効き目が良いのですが、長期服用にはさまざまな副作用が考えられお勧めできません。
病院で処方される西洋薬剤と比較すると、漢方薬は副作用が少ない分ゆっくりと体質改善をしていく薬です。効き目の出方や期間もさまざまで、早い人では10日から2週間程度、遅い人は数ヶ月から年単位で効能があらわれてくるといった状態です。
副作用が少ないからと言っても市販薬を薬剤師などのアドバイスなしに長期間飲み続けることは危険がないとは言い切れません。
とくに蓄膿症の場合は、鼻の症状以外にひどい頭痛や悪臭、めまいなどにも悩まされる可能性が高く、効き目があらわれない状態で市販薬を長期服用することで症状を悪化させてしまう可能性もあります。
適した薬剤で効き目の即効性を期待するのであればやはり耳鼻咽喉科を受診して抗生物質を処方してもらうことのほうが良いでしょう。
子供のほうが蓄膿症になりやすい?
子供は大人と比べ、免疫力が未熟なため、風邪をはじめとした病気にもかかりやすい状態と言えます。また鼻水がでたり溜まったりしてもすすってしまい、鼻の中に菌がとどまりやすい環境を自ら作り出してしまう傾向にあります。
それは結果的に蓄膿症にもかかりやすい状態と言えます。蓄膿症が続くと思考能力や集中力の低下が著しくなるため、子供の学校生活では非常に悪影響をもたらせます。
風邪をひいてから子供が口呼吸をするようになったり、鼻水が出づらく、出ても黄色や緑色だった場合は急性副鼻腔炎、または蓄膿症を疑いましょう。
また蓄膿症に関わらず、市販薬で完治させようとすると、とくに子供の場合効能の出方や副作用などさまざまな問題が大きく響く可能性が考えられます。市販薬はあくまでも緊急時の一時的なものとして考え、基本的には病院を受診することをお勧めします。
まとめ
子供にもおすすめのつらい蓄膿症治療の市販薬とは?(後編)
子供のほうが蓄膿症になりやすい?